《座りすぎは本当に危険?》最新研究でわかった健康リスクと「座らない習慣」のはじめ方

「最近、座りっぱなしで体がだるい……」
「座りすぎって本当に健康に悪いの?」

そんな疑問や不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。

現代人の多くは、仕事や通勤、食事、テレビ視聴などで1日の大半を座って過ごしています。
しかし最新の研究では、この「座りすぎ」が深刻な健康リスクを引き起こすことが明らかになってきました。

この記事では、座りすぎがもたらす具体的な健康リスクと、今日から実践できる「座らない習慣」の作り方をお伝えしていきます。
あなたの健康と生活の質を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください!

目次

座りすぎとは?座位行動の定義と現代人の実態

まずは「座りすぎ」とは何を指すのか、その定義と現代人の実態についてお話ししていきます。
単に「椅子に座っている時間」だけではなく、意外と広い範囲の行動が含まれているんです。

座位行動の定義 — “座る/半臥位/横になる”まで含む概念

座位行動とは、座ったり横になったりしている状態で、エネルギー消費量が安静時とほぼ同じレベルにとどまる行動のことです。

なぜなら、椅子に座っているだけでなく、ソファに寄りかかったり床に座ったり、横になってスマホを見たりする時間も全て「座位行動」に含まれるからです。

具体的には、デスクワーク中の椅子に座った姿勢はもちろん、電車やバスでの移動中、食事中、テレビやスマホを見ているときなど、筋肉をほとんど使わない姿勢が該当します。
つまり、単に「座っている」という見た目だけでなく、体がほぼ動いていない状態全般を指すわけです。

このように定義すると、私たちが思っている以上に多くの時間を座位行動に費やしていることがわかります。

日本人・現代人の平均座位時間 — なぜ座りすぎが当たり前になっているか

日本人の1日あたりの平均座位時間は約7〜8時間と言われており、世界的に見ても非常に長い部類に入ります。

これは、デスクワークを中心とした仕事形態や長時間通勤、自宅でのテレビ視聴やスマホ使用といった現代のライフスタイルが大きく影響しているからです。

たとえば、オフィスワーカーであれば8時間のデスクワーク、往復2時間の通勤、帰宅後の食事やリラックスタイムで2〜3時間と考えると、合計で12時間以上座っていることも珍しくありません。
実際、座位時間が10時間を超える人も決して少なくないのです。

さらに、リモートワークの普及により通勤時間が減った分、座位時間がかえって増加しているという報告もあります。
このように、現代社会の構造そのものが「座りすぎ」を生み出しているわけです。

「座っているだけ」で起こる体の変化 — 筋肉・血流・代謝の観点から

座っている間、体の中では思っている以上にさまざまな変化が起きています。

まず筋肉の面では、座位姿勢が続くと下半身の大きな筋肉群がほとんど使われなくなります。
特に太ももやお尻の筋肉は、立っているときや歩いているときには常に働いていますが、座ると完全にリラックスした状態になるため、筋力低下や代謝の低下を招きやすくなるのです。

次に血流についてですが、座った姿勢では下半身への血流が滞りやすくなります。
なぜなら、重力の影響で血液が下肢に溜まりやすく、さらに筋肉のポンプ作用が働かないため血液の循環が悪くなるからです。
これがむくみや冷え、最悪の場合は血栓のリスクにつながります。

そして代謝面では、座位時間が長くなるほど糖や脂質の代謝に関わる酵素の働きが低下することがわかっています。
その結果、血糖値や中性脂肪が上がりやすくなり、メタボリックシンドロームや糖尿病のリスクが高まるのです。

このように、「ただ座っているだけ」でも、体には確実に負担がかかっています!

座りすぎがもたらす主な健康リスク — 身体・心・寿命への影響

ここからは、座りすぎが引き起こす具体的な健康リスクについてお伝えしていきます。
体の病気だけでなく、心の健康や寿命にまで影響するという研究結果が次々と報告されているんです。

メタボ・糖尿病・脂質異常など代謝・生活習慣病のリスク

座りすぎは、メタボリックシンドロームや2型糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクを大幅に高めます。

なぜなら、長時間座っていると筋肉の活動量が極端に減り、糖や脂質を処理する代謝機能が低下するからです。

具体的には、座位時間が長い人ほど血糖値のコントロールが悪くなり、インスリンの効きが悪くなることが研究で示されています。
また、中性脂肪やLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増加しやすく、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が減少する傾向にあるのです。

さらに、座りすぎによって内臓脂肪が蓄積しやすくなり、メタボリックシンドロームの診断基準を満たすリスクが高まります。
これらの代謝異常は、将来的に心臓病や脳卒中などの重大な病気につながる可能性があるため、早めの対策が重要です。

心血管疾患・脳血管疾患・がんなど重大疾患のリスクの上昇

座位時間の長さは、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患のリスクとも強く関連しています。

というのも、座りすぎによって血流が悪化し、血管内皮の機能が低下することで動脈硬化が進行しやすくなるからです。

実際、1日11時間以上座っている人は、4時間未満の人と比べて心血管疾患による死亡リスクが約40%高いという研究データもあります。
また、座位時間が長いほど脳卒中のリスクも上昇することが複数の疫学研究で確認されているのです。

さらに驚くべきことに、座りすぎは特定のがん(大腸がん、子宮内膜がん、肺がんなど)の発症リスクとも関連しているという報告があります。
これは、座位による代謝異常や慢性炎症、ホルモンバランスの変化などが影響していると考えられています。

このように、座りすぎは命に関わる重大な疾患のリスクを高める要因なのです。

腰痛・むくみ・血栓症(例:エコノミー症候群)の可能性

座りすぎによる健康被害は、重大疾患だけではありません。
日常的に感じる不調や、急性の危険な症状を引き起こすこともあるのです。

まず多くの人が経験するのが腰痛です。
座った姿勢では腰椎への負担が立っているときよりも大きくなり、椎間板への圧力が高まります。
長時間同じ姿勢を続けることで腰回りの筋肉も硬くなり、慢性的な腰痛や椎間板ヘルニアのリスクが高まるわけです。

次にむくみですが、これは座位によって下半身の血液やリンパ液の流れが滞ることで起こります。
特に夕方になると足がパンパンに腫れるという経験がある方も多いでしょう。

そして最も危険なのが血栓症、いわゆるエコノミークラス症候群です。
長時間座ったまま動かないと、足の静脈に血栓(血の塊)ができやすくなります。
この血栓が肺に飛んで肺の血管を詰まらせると、肺塞栓症という命に関わる状態になることもあるのです。

こうした日常的な不調から急性の危険まで、座りすぎは多様な健康被害をもたらします。

メンタルヘルス・認知機能・寿命 — 座りすぎと「早死に」「心身の衰え」の関連

座りすぎの影響は身体面だけでなく、メンタルヘルスや認知機能、さらには寿命そのものにまで及んでいます。

まずメンタルヘルスについてですが、座位時間が長い人ほどうつ病や不安障害のリスクが高いという研究結果が複数報告されています。
なぜなら、運動不足による神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)のバランス悪化や、社会的孤立感の増加などが影響していると考えられるからです。

また、座りすぎは認知機能の低下や認知症のリスクとも関連しています。
座っている時間が長いほど脳への血流が減少し、脳の海馬(記憶を司る部分)の容積が小さくなるという研究もあるのです。

そして最も衝撃的なのが、寿命への影響でしょう。
1日11時間以上座る人は、4時間未満の人と比較して死亡リスクが約40%高いというデータがあります。
この「早死に」のリスクは、運動習慣の有無にかかわらず見られるため、「座りすぎそのものが独立した危険因子である」と考えられているのです。

つまり、座りすぎは体の病気だけでなく、心の健康や脳の機能、さらには寿命までを脅かす深刻な問題だと言えます!

座りすぎリスクは”どれくらい座るか”で変わる — 危険な時間の目安

ここまで座りすぎの危険性をお伝えしてきましたが、では具体的に「何時間座ると危険なのか」が気になるところですよね。
このセクションでは、研究データをもとにした危険な時間の目安と、リスクを減らすためのポイントをお話ししていきます。

1日何時間が「座りすぎ」?研究が示すリスク閾値(例:8時間/10時間/11時間以上)

「座りすぎ」と判断される時間については、複数の研究で異なる数値が示されていますが、おおむね共通した傾向が見えてきています。

まず、1日8時間以上座っている人は健康リスクが高まり始めるというデータがあります。
これは多くのオフィスワーカーが該当する時間帯であり、すでに注意が必要なラインです。

さらに、1日10時間を超えると心血管疾患や糖尿病などのリスクが明確に上昇することが示されています。
たとえば、ある大規模研究では10時間以上座る人は4時間未満の人と比べて慢性疾患のリスクが数十パーセント高いという結果が出ているのです。

そして最も危険とされるのが11時間以上です。
この時間を超えると、死亡リスクが大幅に上昇するという複数の研究結果があります。
具体的には、座位時間が11時間以上の人は4時間未満の人と比較して、あらゆる原因による死亡リスクが約40%高くなるとされているのです。

もちろん個人差はありますが、目安として「8時間以上で要注意、10時間以上で危険、11時間以上で非常に危険」と考えておくとよいでしょう。

「たまの運動」で帳消しになるか? — 運動習慣があっても座位時間が多ければ危険という研究結果

「普段運動しているから大丈夫」と思っている方も多いかもしれません。
しかし残念ながら、たとえ定期的に運動していても、座りすぎのリスクは完全には消えないのです。

なぜなら、座位時間の長さと運動習慣は、それぞれ独立した健康リスク要因として働くことがわかっているからです。

たとえば、週に数回ジムで運動していても、1日の大半を座って過ごしていれば座りすぎによる健康リスクは残ります。
実際、ある研究では「1日1時間の運動をしていても、残りの時間ずっと座っていれば心血管疾患のリスクは高まる」という結果が示されているのです。

これは、運動による代謝促進効果が一時的なものであり、座りっぱなしの時間中は血流や代謝が低下してしまうためだと考えられています。
つまり、週末にまとめて運動するよりも、日常的にこまめに体を動かすことのほうが重要なわけです。

ただし、運動習慣がある人のほうが座りすぎのリスクは相対的に低くなることも事実です。
ですから、「運動しているから安心」ではなく、「運動もしつつ、座りすぎも減らす」という両面からのアプローチが必要だと言えます!

“座りっぱなし” vs “ちょこちょこ立つ・動く” — 血流・代謝への違いとリスク低減の効果

同じ8時間座る場合でも、「8時間ぶっ通しで座る」のと「30分ごとに立って少し動く」のでは、体への影響がまったく違います。

というのも、こまめに立ったり歩いたりすることで、筋肉が動き血流が改善され、代謝機能もリセットされるからです。

具体的には、20〜30分ごとに2〜3分立って軽く歩いたりストレッチしたりするだけで、血糖値の上昇が抑えられることが研究で確認されています。
また、同じ姿勢を長時間続けるよりも、こまめに姿勢を変えたり立ち上がったりするほうが、下半身の血流が維持され、むくみや血栓のリスクも大幅に減少するのです。

さらに、立つだけでも座っているときより20〜30%多くカロリーを消費し、筋肉の活動量が増えます。
ですから、座りっぱなしの時間を減らし、意識的に「ちょこちょこ動く」習慣をつけることが、座りすぎリスクを大幅に減らす鍵になるわけです。

たとえ総座位時間が同じでも、こまめに動く工夫をするだけで健康への影響は大きく変わります!

長時間座る生活が招く「日常の不調」 — 仕事・集中力・生産性への影響

座りすぎは病気のリスクだけでなく、日々の生活の質にも悪影響を及ぼします。
ここでは、仕事や日常生活で感じる不調や、集中力・生産性への影響についてお話ししていきます。

腰痛・肩こり・慢性疲労などの体の不調と集中力低下

長時間座っていると、腰痛や肩こり、首の痛みといった体の不調を感じる人は非常に多いでしょう。

これは、座った姿勢が続くことで腰や背中、首周りの筋肉が緊張し続け、血行不良が起こるためです。

特にデスクワークでパソコンを使う場合、前かがみの姿勢になりやすく、首や肩への負担が大きくなります。
その結果、肩こりや頭痛、眼精疲労が慢性化し、常に体がだるく疲れが取れないという状態に陥りやすいのです。

さらに、こうした体の不調は集中力の低下にも直結します。
痛みや不快感があると、仕事や勉強に集中できなくなり、作業効率が落ちるのは当然ですよね。

実際、座りっぱなしの時間が長い人ほど「午後になると集中力が切れる」「夕方には頭が働かなくなる」といった悩みを抱えやすいことが報告されています。
このように、座りすぎは体の不調を通じて、日常のパフォーマンスにも悪影響を与えているのです。

座りすぎによる血行不良・むくみで起こる体の重だるさや倦怠感

座りすぎのもう一つの典型的な症状が、足のむくみや全身の重だるさです。

座った姿勢では重力によって血液やリンパ液が下半身に溜まりやすく、さらに筋肉のポンプ作用が働かないため循環が滞ってしまいます。

その結果、夕方になると靴がきつく感じたり、足がパンパンに腫れたりするわけです。
このむくみは見た目の問題だけでなく、体の重だるさや疲労感の原因にもなります。

また、下半身に血液が滞ることで脳への血流も相対的に減少し、頭がぼーっとしたり眠気を感じたりすることもあります。
これが「午後の眠気」や「夕方の倦怠感」の一因になっているのです。

さらに、血行不良が続くと冷え性や代謝低下にもつながり、慢性的な疲労感に悩まされる人も少なくありません。
つまり、座りすぎは単なる「疲れた気がする」という感覚ではなく、実際に体の機能低下を引き起こしているわけです。

座位時間と仕事効率の関連性 — 健康だけでなく生活の質にも影響

座りすぎは健康リスクだけでなく、仕事の効率や生活の質(QOL)にも大きく影響します。

なぜなら、座りっぱなしでいると脳への血流が減少し、思考力や判断力、創造性といった認知機能が低下するからです。

実際、適度に立ったり歩いたりする習慣がある人のほうが、長時間座りっぱなしの人よりも仕事のパフォーマンスが高いという研究結果があります。
たとえば、こまめに休憩を取って体を動かすことで、集中力が回復し作業効率が上がることが確認されているのです。

また、座りすぎによる体の不調や疲労感は、仕事のモチベーション低下やストレスの増加にもつながります。
慢性的な腰痛や肩こりを抱えながら仕事をするのは、精神的にも負担が大きいですよね。

さらに、座りすぎは生活全体の活動性を下げ、趣味や運動、家族との時間を楽しむ余裕を奪ってしまう可能性もあります。
このように、座りすぎは仕事だけでなく、人生の充実度そのものに影響を与える問題なのです!

今すぐできる!「座りすぎ」を防ぐ5つの習慣と対策

ここまで座りすぎのリスクをお伝えしてきましたが、「では具体的にどうすればいいの?」という疑問が湧いてきますよね。
ここからは、今日から実践できる座りすぎ対策を5つのポイントに分けてご紹介していきます!

まずは立つ・動く習慣 — 20分ごとに立つ/歩くなどの”こまめな動き”のすすめ

座りすぎ対策の基本中の基本は、「こまめに立って動くこと」です。

先ほどもお伝えしたように、20〜30分ごとに立ち上がって2〜3分歩いたり軽くストレッチしたりするだけで、血流や代謝が改善されます。

具体的な方法としては、スマホのタイマーやアプリを使って20分ごとにアラームを設定するのがおすすめです。
アラームが鳴ったら立ち上がり、トイレに行く、コーヒーを淨れに行く、窓の外を眺めるなど、何でもいいので体を動かしてみましょう。

また、電話がかかってきたら立って話す、会議中でも適度に立ち上がる、エレベーターではなく階段を使うなど、日常の小さな動作を「立つ・歩く」に置き換える工夫も効果的です。

さらに、デスク周りに軽いストレッチやスクワットを取り入れるだけでも、筋肉の活動が促され座りすぎのリスクを減らせます。
最初は忘れてしまうかもしれませんが、習慣化すれば体が自然と「そろそろ動きたい」と感じるようになりますよ。

まずは「20分座ったら立つ」を意識してみてください!

デスクワーク環境の見直し — 立ち机・スタンディングデスク、椅子・姿勢の改善など

座りすぎを防ぐには、仕事環境そのものを見直すことも有効です。

近年注目されているのが、立ったまま作業できる「スタンディングデスク」や、座位と立位を切り替えられる「昇降デスク」です。
これらを使えば、座りっぱなしを防ぎながら仕事を続けられます。

もちろん、いきなり高価なデスクを購入する必要はありません。
まずは、既存のデスクの上に台や箱を置いて高さを調整し、簡易的なスタンディングデスクを作ってみるのもよいでしょう。

また、椅子の選び方や姿勢の改善も重要です。
腰をしっかりサポートする椅子を使い、足が床にしっかりつく高さに調整することで、座っているときの負担を減らせます。
背もたれに寄りかからず、骨盤を立てて座る意識を持つだけでも腰痛のリスクは下がるのです。

さらに、モニターの高さや位置を調整して目線が自然に前を向くようにすると、首や肩への負担も軽減されます。
こうした環境の見直しは、一度行えば長期的に効果が続くため、非常にコストパフォーマンスが高い対策だと言えます。

自分の働く環境を少しずつ改善していきましょう!

日常の中で”運動スナック”を取り入れる方法 — 通勤・家事・休憩でできる軽い運動

「運動スナック」とは、日常生活の中でちょこちょこ取り入れる短時間の運動のことです。

わざわざジムに行ったり長時間運動したりしなくても、日常の隙間時間に数分の運動を積み重ねることで、座りすぎのリスクを大幅に減らせます。

たとえば、通勤時にはひと駅分歩く、電車では座らずに立つ、エスカレーターではなく階段を使うといった工夫が挙げられます。
これだけでも1日の活動量は確実に増えるのです。

また、家事も立派な運動スナックになります。
掃除機をかける、洗濯物を干す、料理をするといった動作は、座りっぱなしを防ぎつつ体を動かす絶好の機会です。

さらに、仕事の休憩時間には軽いスクワットや足踏み、ストレッチを取り入れるだけでも効果があります。
たった2〜3分でも、座りっぱなしの状態をリセットし、血流を改善できるのです。

このように、運動スナックは特別な時間や場所を必要としないため、誰でも今すぐ始められます。
日常の中に「ちょこちょこ動く」タイミングを見つけて、積極的に取り入れてみてください!

座りすぎ対策とともに意識したい「全身の循環と筋肉の維持」 — 足・ふくらはぎ・大腿の重要性

座りすぎ対策を考えるうえで、特に重要なのが下半身の筋肉を維持することです。

なぜなら、太ももやふくらはぎといった下半身の大きな筋肉は「第二の心臓」とも呼ばれ、血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしているからです。

座りっぱなしでいるとこれらの筋肉がほとんど使われず、血流が滞りむくみや血栓のリスクが高まります。
ですから、意識的にこれらの筋肉を動かし、維持することが大切なのです。

具体的には、立ち上がったときにかかとを上げ下げする「カーフレイズ」や、椅子に座ったままできる「つま先上げ」「かかと上げ」などの簡単な運動が効果的です。
また、スクワットや階段昇降など、太ももの筋肉を使う運動も積極的に取り入れましょう。

さらに、ウォーキングは下半身全体を動かし、全身の循環を促す最も手軽で効果的な運動です。
1日に少なくとも30分程度は歩くことを目標にすると、座りすぎのリスクを大きく減らせます。

このように、下半身の筋肉を意識的に使うことで、座りすぎによる健康被害を予防できるのです!

最新の研究事情と将来への示唆 — 座りすぎ対策はどこまで効果があるか?

最後に、座りすぎに関する最新の研究動向と、今後の公衆衛生政策への影響についてお話ししていきます。
科学的な根拠がどこまで明らかになっているのか、そして社会全体でどう取り組むべきかを見ていきましょう。

座りすぎと疾病や死亡リスクの大規模研究データ概要

座りすぎと健康リスクの関係については、世界中で大規模な疫学研究が行われています。

たとえば、オーストラリアで行われた約22万人を対象とした研究では、1日11時間以上座る人は4時間未満の人と比べて、あらゆる原因による死亡リスクが約40%高いという結果が示されました。

また、アメリカの研究では、座位時間が1日6時間を超えると心血管疾患や糖尿病のリスクが有意に上昇し、さらに女性では座位時間が長いほど死亡リスクが高まることが確認されています。

さらに、カナダやヨーロッパの研究でも、座位時間と大腸がん、子宮内膜がん、肺がんなどのリスク上昇との関連が報告されているのです。

これらの研究に共通しているのは、「座りすぎそのものが独立した健康リスク要因である」という点です。
つまり、運動習慣や食生活、喫煙などの他の要因を調整しても、座位時間の長さだけで健康リスクが高まることが科学的に証明されているわけです。

こうした膨大なデータが、座りすぎ対策の重要性を裏付けています。

「座りすぎは喫煙と同じくらい危険」という表現の根拠

「座りすぎは新しい喫煙だ(Sitting is the new smoking)」というキャッチフレーズを聞いたことがある方もいるでしょう。

これは、座りすぎによる健康リスクが喫煙と同等レベルで深刻だという意味で使われる表現です。

実際、ある研究では1日11時間以上座る人の死亡リスク上昇率が、1日1箱のタバコを吸う人のリスク上昇率と近い数値を示したというデータがあります。
もちろん、リスクの性質や影響の範囲は異なるため単純比較はできませんが、それだけ座りすぎが深刻な問題だということを示しているのです。

また、喫煙が心血管疾患やがんのリスクを高めるのと同様に、座りすぎも代謝異常や炎症反応を引き起こし、同様の疾患リスクを高めることがわかっています。
さらに、喫煙が社会問題として認識され対策が進んだように、座りすぎも今後社会全体で取り組むべき公衆衛生上の課題だという認識が広がっているのです。

ただし、「喫煙と同じくらい危険」という表現はややセンセーショナルであり、座りすぎのリスクを過度に煽るものではないかという指摘もあります。
とはいえ、それだけ座りすぎが軽視できない問題であることは間違いありません。

今後注目される”座位行動ガイドライン”と公衆衛生の動き

座りすぎの健康リスクが明らかになるにつれ、各国で「座位行動ガイドライン」の策定が進んでいます。

たとえば、オーストラリアやカナダでは、すでに成人向けに「座りすぎを減らし、こまめに体を動かすこと」を推奨するガイドラインが発表されています。
WHO(世界保健機関)も2020年に発表した身体活動ガイドラインの中で、座位時間を減らすことの重要性を明記しました。

日本でも、厚生労働省が健康づくりのための身体活動指針の中で、座りすぎのリスクについて言及し始めています。
今後、職場や学校での座りすぎ対策が制度化されたり、公共の場にスタンディングデスクが普及したりする可能性もあるでしょう。

また、企業においても従業員の健康管理の一環として、座りすぎ対策を導入する動きが広がっています。
たとえば、定期的な立ち上がりを促すアプリの導入や、スタンディングミーティングの推奨、オフィス内にウォーキングスペースを設けるといった取り組みが実施されているのです。

このように、座りすぎ対策は個人の問題だけでなく、社会全体で取り組むべき課題として認識されつつあります。

仕事・ライフスタイル変化時代における「座らない習慣」の社会的意義

コロナ禍以降、リモートワークが普及し働き方が大きく変化しました。
通勤時間が減った分、座位時間がかえって増加したという人も少なくありません。

このような時代だからこそ、「座らない習慣」を意識的に作ることが、個人の健康と社会全体の生産性を守る鍵になります。

座りすぎを減らすことは、単に病気を予防するだけでなく、集中力や創造性を高め、仕事のパフォーマンスを向上させる効果もあるのです。
ですから、企業にとっても従業員の健康を守り生産性を高めるために、座りすぎ対策は重要な投資だと言えます。

また、高齢化が進む日本において、座りすぎによる筋力低下や認知機能の衰えは、将来的な介護負担の増加にもつながります。
ですから、若いうちから「座らない習慣」を身につけることは、将来の自分と社会を守ることにもなるのです。

さらに、座りすぎ対策は特別な設備や費用をかけなくても、意識と工夫次第で誰でも実践できます。
こまめに立つ、歩く、ストレッチするといった小さな行動の積み重ねが、長期的には大きな健康効果を生むわけです。

このように、「座らない習慣」は現代社会を生きる私たち全員にとって、極めて重要な生活習慣なのです!

まとめ

座りすぎは、メタボや糖尿病、心血管疾患、がん、さらにはメンタルヘルスや寿命にまで影響する深刻な健康リスクです。
1日8時間以上、特に11時間以上座る生活を続けると、運動習慣があってもリスクは残ります。

しかし、20〜30分ごとにこまめに立って動く、スタンディングデスクを使う、日常に運動スナックを取り入れるといった工夫で、座りすぎのリスクは大幅に減らせます。

大切なのは、「座りすぎは危険だ」という認識を持ち、日常の中で意識的に体を動かす習慣をつけることです。
特別な運動や高価な器具は必要ありません。
今日からできる小さな一歩を積み重ねていきましょう。

あなたの健康と生活の質を守るために、ぜひ今日から「座らない習慣」を始めてみてください!

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