「毎晩ちゃんと寝ているはずなのに、なぜか疲れが取れない……」
そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
睡眠不足や質の低下は、日中の集中力ダウンや体調不良にもつながりかねません。
そこで注目していきたいのが、スタンフォード大学の研究でも知られる「黄金の90分」という考え方です。
この記事では、黄金の90分の仕組みと、今日から始められる7つの睡眠習慣について取り上げていきます。
入浴のタイミングや朝の過ごし方まで押さえておけば、睡眠の質を底上げするヒントがきっと見つかるはずです!
スタンフォード式睡眠とは?「黄金の90分」が睡眠の質を左右する理由
まず気になるのが、「スタンフォード式睡眠」や「黄金の90分」という言葉の意味ではないでしょうか。
ここでは、その基本的な考え方について取り上げていきます。
スタンフォード式睡眠で注目される「黄金の90分」とは?
黄金の90分とは、眠りについてから最初に訪れる深いノンレム睡眠のことです。
この最初の90分でどれだけ深く眠れるかによって、成長ホルモンの分泌量や自律神経の整い方が大きく変わってくるといわれています。
だからこそ、この時間帯の眠りの質が、翌日のコンディションを左右する重要なポイントになるのです。
眠り始めの90分が重要とされる理由
なぜ、眠り始めの90分がそれほど重要なのでしょうか。
なぜなら、この最初のノンレム睡眠のタイミングで、成長ホルモンの大部分が分泌されるからです。
成長ホルモンには細胞の修復や疲労回復を促す働きがあり、日中に受けたダメージをリセットする役割を担っています。
また、自律神経のバランスもこの時間帯に整いやすいため、最初の90分が乱れると、その後の睡眠サイクル全体に影響が及んでしまいます。
つまり、黄金の90分をしっかり確保できるかどうかが、睡眠の質を決める分かれ道になっているといえるでしょう。
「黄金の90分」は90分だけ眠ればいいという意味ではない
ここで誤解しやすいのが、「90分だけ眠れば十分」というわけではないという点です。
黄金の90分は、あくまで睡眠全体の土台を作る最初のパートに過ぎません。
そのうえで、その後のレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しながら、心身の回復を進めていく必要があります。
たとえば、90分だけ眠って満足してしまうと、脳や身体の疲労が十分に回復しないまま朝を迎えることになりかねません。
ですので、黄金の90分を良質なものにしながら、トータルの睡眠時間もきちんと確保していくことが大切です。
スタンフォード式で簡単に試せる睡眠法7選|今日からできる習慣
ここからは、黄金の90分を活かすために、今日からすぐ実践できる7つの習慣についてご紹介していきます。
どれも難しい準備は必要ないので、気軽に取り入れてみてください!
寝る時間と起きる時間をできるだけ一定にする
まず取り入れてみてほしいのが、就寝時間と起床時間をできるだけ一定に保つことです。
体内時計は、毎日同じリズムで動くことによって安定しやすくなる性質を持っています。
たとえば、平日と休日で起きる時間が2時間以上ずれてしまうと、いわゆる「社会的時差ボケ」の状態になり、リズムが乱れやすくなってしまいます。
休日も普段よりプラス1時間程度に抑えておくと、ズレを最小限にできるでしょう。
このように、毎日のリズムをできるだけそろえることが、黄金の90分を安定させる第一歩になります。
寝る前の入浴で体温スイッチを整える
続いてご紹介していきたいのが、就寝前の入浴による体温調整です。
人の身体は、深部体温が下がるタイミングで眠気を感じやすくなる仕組みになっています。
実際、寝る90分ほど前に入浴して一度体温を上げておくと、その後の体温低下がスムーズになり、寝つきが良くなりやすいといわれています。
このように、入浴のタイミングを工夫するだけでも、黄金の90分に入りやすい状態を作ることができるのです。
寝室の温度・湿度を快適に保つ
次に押さえておきたいのが、寝室の温度や湿度の管理です。
暑すぎたり寒すぎたりする環境では、深い眠りに入りづらくなってしまいます。
目安として、室温は夏場で25〜26℃前後、冬場で18〜19℃前後、湿度は50〜60%程度に保っておくと快適でしょう。
そのため、季節に合わせてエアコンや加湿器・除湿機をうまく活用してみてください。
寝る前はスマホや強い光を避ける
また、就寝前のスマートフォンやパソコンの操作にも注意が必要です。
画面から発せられるブルーライトを浴びると、脳が昼間だと錯覚し、眠気を誘うメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。
そのうえ、SNSやニュースをチェックしていると、思考が刺激されて脳が興奮状態になりやすい点にも気をつけたいところです。
寝る1時間ほど前からはスマホを手放し、部屋の照明も落としておくことをオススメします。
寝る前に脳を興奮させない
加えて、就寝前は仕事や考え事など、脳を興奮させる行動もできるだけ控えてみてください。
交感神経が優位な状態のままだと、寝床に入ってもなかなか寝つけません。
たとえば翌日の予定を細かく考えたり、緊張感のある動画を見たりすると、脳が休まらないまま布団に入ることになってしまいます。
ゆったりとした音楽を聴く、軽いストレッチをするなど、リラックスできる時間を作ってみてください!
朝起きたら光を浴びて体内時計を整える
そして、朝起きたタイミングでの行動も見逃せません。
朝の光には、体内時計をリセットして活動モードに切り替える働きがあります。
起床後はカーテンを開けて日光を浴びる、あるいはベランダに出てみるなど、光を感じる習慣を取り入れてみてください。
このひと手間が、夜の黄金の90分にもつながっていきます。
朝食をとって体と脳を目覚めさせる
最後にご紹介していきたいのが、朝食をとる習慣です。
朝食には、体内時計を整えるとともに、脳や身体を活動モードへ切り替える働きがあります。
特に、炭水化物とたんぱく質を組み合わせたメニューは、エネルギー補給と体内時計の調整の両方に役立つといわれています。
忙しい朝でも、バナナとヨーグルトなど、簡単なものから取り入れてみてはいかがでしょうか。
寝る90分前の入浴が効果的?スタンフォード式「体温スイッチ」の整え方
先ほど簡単に触れた入浴について、ここではもう少し詳しく取り上げていきます。
体温スイッチの仕組みを理解しておくと、より効果的に活用できるはずです。
なぜ入浴すると眠りやすくなるの?
なぜ、入浴すると眠気が訪れやすくなるのでしょうか。
入浴によって一時的に深部体温が上昇すると、お湯から上がったあとに体温が急降下していきます。
この体温が下がっていく過程こそが、脳に「眠る準備」のサインを送る仕組みになっているのです。
つまり、入浴は体温の上げ下げを利用して、自然な眠気を引き出すための手段だといえるでしょう。
40℃前後のお湯に入る時間の目安
入浴する際は、お湯の温度と時間にも気を配ってみてください。
目安としては、40℃前後のお湯に15分程度浸かるのがちょうど良いとされています。
熱すぎるお湯は交感神経を刺激してしまい、かえって寝つきを悪くする可能性があるため注意が必要です。
ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで、リラックス効果と体温調整の両方が期待できます。
寝る90分前に入浴できないときはどうする?
とはいえ、毎日きっちり90分前に入浴できるとは限りません。
そうした場合は、就寝の直前を避けて、できるだけ余裕を持って入浴するだけでも十分な効果が期待できます。
たとえば寝る30分〜1時間前に入浴した場合でも、湯上がり後にリラックスする時間を作れば、体温の低下を睡眠にうまくつなげやすくなります。
無理のない範囲で、入浴のタイミングを調整してみてください!
シャワーだけでも睡眠対策になる?
また、「湯船に浸かる時間がない」という日もあるでしょう。
シャワーだけの場合、湯船に浸かるときほど深部体温は上がりにくいものの、何もしないよりは体温変化を作りやすくなります。
その際は、ややぬるめのお湯で首元や肩まわりを中心に、少し長めにシャワーを浴びてみるのがオススメです。
毎日湯船に浸かることが難しくても、こうした工夫で睡眠の質をサポートすることができます。
寝る前にやってはいけないこと|スマホ・照明・夜更かしを見直す方法
ここからは、黄金の90分を妨げてしまう「寝る前のNG習慣」について取り上げていきます。
当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
寝る直前までスマホを見る習慣を見直す
まず見直したいのが、布団に入ってからもスマホを触り続けてしまう習慣です。
ブルーライトによる影響に加えて、SNSや動画の情報が次から次へと入ってくることで、脳がなかなか休まりません。
寝室にスマホを持ち込まない、あるいは充電を別の部屋で行うようにするだけでも、自然と使用時間を減らすことができます。
夜は明るすぎる照明を避ける
続いて注意したいのが、就寝前の部屋の明るさです。
強い光を浴び続けると、メラトニンの分泌が抑えられてしまい、寝つきが悪くなる原因になります。
夜は間接照明やオレンジ系の暖色照明に切り替えるなど、光の強さや色味を工夫してみてください。
寝る直前の仕事や考え事を減らす
また、寝る直前まで仕事のメールをチェックしたり、悩みごとを考え続けたりするのも避けたいところです。
脳が緊張状態のまま布団に入ってしまうと、寝つくまでに時間がかかってしまいます。
就寝の1時間ほど前には仕事関連の作業を切り上げ、考え事はノートに書き出して一旦頭の外に出しておくのも一つの方法です。
眠れないときに無理やり寝ようとしない
そして、なかなか寝つけないときに「早く寝なければ」と焦ってしまうのも逆効果になりがちです。
焦りや不安を感じると交感神経が刺激され、かえって目が冴えてしまうことがあります。
15分以上眠れない場合は、一度布団から出て、読書や軽いストレッチなどリラックスできることをしてから、再度チャレンジしてみるのがオススメです。
朝の過ごし方も重要!スタンフォード式で睡眠リズムを整える習慣
睡眠の質を高めるためには、夜だけでなく朝の過ごし方も欠かせません。
ここでは、リズムを整えるための朝の習慣について取り上げていきます。
起床したら朝の光を浴びる
まず意識したいのが、起床後すぐに朝の光を浴びることです。
光を浴びることで体内時計がリセットされ、14〜16時間後に自然な眠気が訪れやすくなるといわれています。
カーテンを開ける、外に出て深呼吸するなど、簡単な行動から始めてみてください。
毎日できるだけ同じ時間に起きる
続いて大切なのが、起床時間をできるだけそろえることです。
起きる時間が毎日バラバラだと、体内時計が安定せず、夜の眠気にもズレが生じやすくなってしまいます。
休日も含めて、起きる時間の差を1時間以内に抑えることを意識してみてください!
朝食をとって体内時計を整える
朝食についても、朝のリズムを整えるうえで欠かせない習慣の一つです。
食事をとることで内臓が働きはじめ、体内時計のスイッチが入りやすくなります。
毎朝決まった時間に朝食をとることで、身体全体のリズムが整いやすくなるでしょう。
昼間に適度に体を動かす
また、日中に適度な運動を取り入れることも、夜の眠りの質を高めるポイントになります。
ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で体を動かすことで、寝つきや睡眠の深さが改善しやすくなるといわれています。
特に、日光を浴びながらの運動は体内時計の調整にも役立つため、一石二鳥です。
昼寝するなら時間に注意する
そして、日中に眠気を感じたときは、昼寝を活用するのも良い方法です。
ただし、昼寝の時間が長すぎたり、夕方以降に眠ってしまったりすると、夜の寝つきに影響が出ることがあります。
昼寝をする場合は、15〜20分程度を目安に、遅くとも15時までに済ませておくのがオススメです。
スタンフォード式睡眠を実践するときによくある疑問|睡眠時間・シャワー・昼寝・続け方を解説
最後に、スタンフォード式睡眠を実践するうえでよくある疑問について、まとめて取り上げていきます。
スタンフォード式なら睡眠時間が短くても大丈夫?
黄金の90分を意識することで睡眠の質は高めやすくなりますが、だからといって睡眠時間を極端に削って良いわけではありません。
質を高めつつも、一般的に大人で必要とされる6〜8時間程度の睡眠時間は、できるだけ確保するようにしてみてください。
毎日「寝る90分前」にお風呂に入れなくてもいい?
毎日きっちり90分前に入浴できなくても、大きな問題はありません。
就寝直前を避けて、できるだけ余裕を持って入浴するだけでも、体温スイッチの効果は十分に期待できます。
お風呂に入れない日はシャワーでもいい?
お風呂に入る時間がない日は、シャワーだけでも問題ありません。
湯船に浸かるときほどの効果は得づらいものの、何もしないよりは体温変化を作りやすくなります。
昼寝をすると夜の睡眠に影響する?
昼寝の時間帯や長さによっては、夜の睡眠に影響が出ることもあります。
15〜20分程度、15時までに済ませる昼寝であれば、夜の眠りへの影響は少ないといわれています。
スタンフォード式睡眠はどのくらい続ければいい?
体内時計や睡眠のリズムが安定するまでには、ある程度の期間が必要です。
まずは2〜3週間を目安に継続してみると、変化を感じやすくなるでしょう。
睡眠の質が良くなったか確認する方法は?
睡眠の質を確認する方法としては、起床時のスッキリ感や日中の眠気の有無をチェックするのが手軽です。
そのほか、睡眠アプリやウェアラブルデバイスを活用して、深い眠りの割合や睡眠時間を記録してみるのも良い方法です。
まとめ
ここまで、スタンフォード式睡眠の考え方である黄金の90分と、今日から試せる7つの習慣について取り上げてきました。
黄金の90分は、眠り始めの深いノンレム睡眠のことであり、この時間の質を高めることが、睡眠全体のコンディションを左右する重要なポイントになります。
入浴のタイミングや寝室の環境、スマホとの付き合い方、そして朝の過ごし方まで、できるところから少しずつ取り入れてみてください。
毎日の小さな積み重ねが、質の高い眠りと、すっきりとした目覚めにつながっていくはずです!
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