思考の癖がネガティブなのを直す方法|考え方のパターンと5つの改善ステップ

「気づくといつもマイナスなことばかり考えてしまう……これって性格だから仕方ないのかな」
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか。

ネガティブな考え方は、生まれ持った性格だけで決まるものではなく、思考の「癖」として捉えることができます。
この記事では、ネガティブに考えてしまう原因から、当てはまりやすい思考パターン、考え方を見直す5つのステップまでお伝えしていきます。

あわせて、考えすぎがループしたときの抜け出し方も知れる内容になっていますので、ぜひ最後まで読んでみてください!

目次

なぜネガティブに考えてしまう?思考の癖が生まれる原因と「直せる」理由

具体的な対処法を紹介する前に、まずはなぜネガティブな考え方が生まれるのか、その背景について押さえておきましょう。
原因を知っておくことで、この先の内容も理解しやすくなります。

ネガティブに考えるのは「性格」だけが原因ではない

ネガティブな考え方をすると、「自分はもともとそういう性格だから」と結論づけてしまう方もいるかもしれません。
しかし、ものの見方や考え方のパターンは、性格だけでなく、経験や習慣によっても形づくられるといわれています。

そのため、「性格だから変えられない」と決めつけすぎず、思考のパターンとして捉え直してみてください。
このように考えるだけでも、次の一歩が踏み出しやすくなります。

嫌な出来事のあとに浮かぶ「自動思考」とは

何か出来事が起きたとき、瞬間的に頭に浮かぶ考えのことを「自動思考」と呼びます。
たとえば、ミスをした瞬間に「自分はダメだ」と考えてしまうような、意識せずに浮かぶ考え方です。

認知行動療法では、まずこの自動思考に気づくことが、考え方を見直す第一歩とされています。
自分にどのような自動思考が浮かびやすいか、少しずつ観察してみてください。

過去の経験や思い込みが思考の癖に影響する

思考の癖には、過去の経験や、そこから生まれた思い込みが影響していることがあります。
たとえば、過去に厳しく評価された経験があると、「失敗は許されない」という思い込みが強くなりやすいといわれています。

このような思い込みは、無意識のうちに今の考え方にも影響を与えていることがあります。
自分の思考の背景を知ることも、見直しの手がかりになります。

疲れやストレスが強いとネガティブに考えやすくなる

心身が疲れていたり、ストレスが強かったりする状態では、ものごとをネガティブに捉えやすくなるといわれています。
普段は気にならないことでも、疲れているときは大きく感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

そのため、考え方だけでなく、休息や生活リズムを整えることも、あわせて意識してみてください。
心身の状態が、思考の癖にも影響していることを知っておきましょう。

思考の癖は気づいて練習することで変えていける

思考の癖は、すぐに変えられるものではありませんが、気づいて練習を重ねることで、少しずつ変えていけるといわれています。
認知行動療法でも、自動的に浮かぶ考え方の特徴に気づき、現実とのズレを確認しながら、柔軟な見方を練習していくことが基本とされています。

そのため、「今日からすぐに変わる」と焦る必要はありません。
少しずつ練習を重ねていく、というイメージを持って読み進めてみてください。

ネガティブ思考の癖7つ|あなたにも当てはまるパターンをチェック

ここからは、ネガティブな考え方に多く見られる、代表的なパターンを7つ紹介していきます。
自分にも当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてください。

白黒思考|「完璧でなければ失敗」と考える

1つ目は、物事を「白か黒か」の両極端で捉えてしまう白黒思考です。
「完璧にできなければ失敗」「成功か失敗か」というように、中間の評価を認めにくくなる考え方です。

このパターンに当てはまる方は、少しのミスでも大きな失敗のように感じてしまいやすくなります。
思い当たる場面がないか、振り返ってみてください。

過度な一般化|一度の失敗から「いつも」と決めつける

2つ目は、一度の出来事から「いつも」「絶対」と広げて考えてしまう過度な一般化です。
たとえば、一度の失敗から「自分はいつも失敗する」と結論づけてしまうような考え方です。

実際には一度きりの出来事であっても、大きく一般化してしまうことで、必要以上に落ち込みやすくなります。
このパターンにも心当たりがないか、確認してみてください。

結論の飛躍・心の読みすぎ|相手の気持ちを決めつける

3つ目は、十分な根拠がないまま、結論を急いでしまうパターンです。
たとえば、相手の反応が薄かっただけで「嫌われているに違いない」と決めつけてしまうような考え方です。

実際には確認していない相手の気持ちを、自分の想像だけで判断してしまうことがあります。
思い当たる場面がないか、あわせてチェックしてみてください。

先読み・破局化|まだ起きていない最悪の未来を想像する

4つ目は、まだ起きていない未来について、最悪の展開を想像してしまうパターンです。
「このままではきっとうまくいかない」というように、悪い結末を先取りして考えてしまう考え方です。

このパターンが強いと、行動を起こす前から不安が大きくなりやすくなります。
自分にも当てはまるか、振り返ってみてください。

マイナス化思考|できたことより失敗だけを見る

5つ目は、できたことよりも、失敗や欠点ばかりに目が向いてしまうマイナス化思考です。
たとえば、多くのことがうまくいっていても、一つの失敗だけを強く意識してしまうような考え方です。

このパターンに当てはまると、努力や成果を実感しにくくなってしまいます。
心当たりがないか、確認してみてください。

「~すべき」思考|自分を厳しく追い込む

6つ目は、「〜すべき」「〜しなければならない」という基準で、自分を厳しく追い込んでしまうパターンです。
「完璧にこなすべき」「弱音を吐くべきではない」といった考え方が、これに当てはまります。

このパターンが強いと、常に高いハードルを自分に課し続けることになり、疲れやすくなります。
自分の中に、こうした「べき」がないか振り返ってみてください。

自己批判・自己否定|出来事と自分の価値を結びつける

7つ目は、起きた出来事と、自分自身の価値を結びつけて考えてしまうパターンです。
「失敗した=自分はダメな人間だ」というように、出来事そのものと自分の価値を同一視してしまう考え方です。

厚生労働省の資料でも、白黒思考や過度な一般化、べき思考、自己関連付けなどが、認知の偏りの例として紹介されています。
思い当たるパターンがあれば、次の章で紹介する見直し方を参考にしてみてください。

ネガティブな思考の癖を直す方法|「事実」と「解釈」を分けて考え直す5ステップ

ここからは、ネガティブな考え方を見直していくための、具体的な5つのステップを紹介していきます。
「ポジティブに置き換える」のではなく、事実と解釈を分けて、より現実的な考え方を探っていく流れです。

STEP1:ネガティブな考えに気づいて言葉にする

まずは、頭に浮かんだネガティブな考えに気づき、それを言葉にしてみてください。
「今、自分はこう考えているんだな」と、頭の中の考えを一度外に取り出すイメージです。

紙に書き出す、声に出してみるといった方法もおすすめです。
気づくことが、見直しの第一歩になります。

STEP2:「何が起きたか」と「どう解釈したか」を分ける

次に、実際に起きた出来事と、それに対する自分の解釈を分けて考えてみてください。
たとえば、「上司に少し強い口調で注意された」という出来事と、「自分は仕事ができないと思われている」という解釈は、必ずしも同じではありません。

このように分けて考えることで、出来事そのものと、自分の受け止め方を切り離しやすくなります。
まずは、事実と解釈を書き分けてみてください。

STEP3:その考えを裏付ける根拠と反証を探す

続いて、その考えを裏付ける根拠と、反対の根拠(反証)を探してみてください。
たとえば、「自分は仕事ができない」と考えたなら、それを裏付ける事実と、そうでない事実の両方を書き出してみましょう。

このように根拠と反証を並べることで、一方的な見方に偏っていないかを確認しやすくなります。
思いつく限り、両方の視点から書き出してみてください。

STEP4:「本当にそう?」と別の可能性を考える

根拠と反証を並べたら、「本当にそうだろうか」と、別の可能性を考えてみてください。
たとえば、「注意されたのは仕事ができないからではなく、上司自身が忙しくて余裕がなかったのかもしれない」といった見方です。

このように複数の可能性を考えることで、一つの解釈だけに縛られにくくなります。
思いつくままに、いくつか可能性を挙げてみましょう。

STEP5:現実的で自分が納得できる考えに組み直す

最後に、ここまでの検討をふまえて、現実的で自分が納得できる考えに組み直してみてください。
「完全にポジティブ」でも「完全にネガティブ」でもない、バランスの取れた考え方を目指すことがポイントです。

たとえば、「今回は注意されたが、それがすべてではなく、改善できる部分もある」といった考え方です。
無理にポジティブに変えるのではなく、納得できる形を探してみてください。

考え直したあとは「今できる小さな行動」を決める

考え方を見直したあとは、今の自分にできる小さな行動を一つ決めてみてください。
たとえば、「次はもう少し早めに報告する」といった、具体的で小さな行動です。

考えを変えるだけでなく、行動につなげることで、気持ちも整理しやすくなります。
無理のない範囲で、次の一歩を決めてみましょう。

ネガティブ思考を繰り返さないためにやめたい習慣7つ|考えすぎ・自己否定を減らすコツ

考え方を見直す方法とあわせて、ネガティブ思考を繰り返しやすくする習慣も知っておきましょう。
ここでは、少しずつ手放していきたい習慣を7つ紹介していきます。

過去の失敗を何度も反省し続ける

過去の失敗を何度も反省し続けることは、一見前向きな行動に見えるかもしれません。
しかし、必要以上に繰り返すと、気持ちを整理するどころか、落ち込みを長引かせてしまうことがあります。

そのため、反省は一度で区切りをつけ、それ以上は考えすぎないようにしてみてください。
「もう十分振り返った」と、自分に声をかけてあげましょう。

他人と自分を比べて自分を評価する

他人と自分を比べて評価すると、自分の基準がぶれやすくなってしまいます。
見えている部分だけで他人と比較しても、正確な比較にはなりにくいものです。

そのため、比較の対象を他人ではなく、過去の自分に置いてみてください。
少しずつでも、自分なりの成長に目を向けていきましょう。

相手の気持ちを勝手に決めつける

相手の気持ちを、確認しないまま勝手に決めつけてしまうことも、ネガティブ思考を繰り返す原因になりやすい習慣です。
実際の気持ちは、本人に確認しなければわからないことがほとんどです。

そのため、気になることがあれば、想像だけで判断せず、可能であれば直接確認してみてください。
確認できない場合は、「わからないこと」として一旦保留にすることも大切です。

「絶対」「いつも」「どうせ」で結論を出す

「絶対」「いつも」「どうせ」といった言葉で結論を出してしまうと、物事を極端に捉えやすくなります。
一度の出来事を、必要以上に大きく一般化してしまっていないか、振り返ってみてください。

そのため、こうした言葉が頭に浮かんだときは、「本当に絶対だろうか」と、一度立ち止まってみましょう。
言葉の選び方を変えるだけでも、考え方の幅が広がります。

できなかったことだけを振り返る

一日の終わりに、できなかったことばかりを振り返ってしまう習慣も、ネガティブ思考を強めやすい要因です。
そのため、できなかったことだけでなく、できたことにも意識的に目を向けてみてください。

小さなことでも構わないので、今日できたことを一つ挙げてみましょう。
このような視点の切り替えを、少しずつ習慣にしていってみてください。

すべて自分の責任だと考える

何か問題が起きたとき、すべて自分の責任だと考えてしまう習慣も、自己否定を強めやすくなります。
実際には、自分以外の要因も関わっていることがほとんどです。

そのため、自分の責任と、そうでない部分を、一度分けて考えてみてください。
すべてを自分のせいにしすぎないことも、大切な視点です。

ネガティブな考えを無理にポジティブに変えようとする

ネガティブな考えが浮かんだとき、無理にポジティブな言葉に置き換えようとする方もいるかもしれません。
しかし、気持ちが追いついていない状態で無理にポジティブに変えようとすると、かえって不自然さや疲れを感じてしまうことがあります。

目指したいのは、何でも前向きに考えることではなく、悲観にも楽観にも偏りすぎない、現実的で柔軟な考え方です。
無理をせず、納得できる考え方を、少しずつ探っていってみてください。

考えすぎが止まらないときの対処法|反芻思考から抜け出して今に戻る方法

思考の癖を見直そうとしても、同じことを何度も考え続けてしまうことがあります。
ここでは、そのような考えすぎのループから抜け出す方法を紹介していきます。

まず「同じことを考え続けている」と気づく

考えすぎがループしているときは、まず「同じことを繰り返し考えているな」と気づくことから始めてみてください。
気づくことができれば、そこから抜け出す準備が整います。

「またこの考えが浮かんできたな」と、少し客観的に眺めてみましょう。
このように気づく練習を重ねることも、大切な一歩です。

頭の中だけで考え続けず紙やスマホに書き出す

頭の中だけで考え続けていると、同じ考えがぐるぐると巡ってしまいやすくなります。
そこで、考えていることを紙やスマホに書き出してみてください。

書き出すことで、頭の中を一度整理でき、同じ考えのループから抜け出しやすくなります。
うまくまとめようとせず、思いつくままに書いてみましょう。

「今わかっている事実」に意識を戻す

考えすぎているときは、まだ起きていないことや、確認していないことまで想像を膨らませてしまいがちです。
そこで、「今わかっている事実は何か」に、一度意識を戻してみてください。

想像や解釈と、実際に確認できている事実を、切り分けて考えてみましょう。
このように整理することで、考えすぎを少し落ち着けやすくなります。

場所を変える・体を動かすなど注意を切り替える

考え続けているときは、場所を変える、体を動かすといった方法で、注意を切り替えることもおすすめです。
散歩に出る、部屋を移動するといった小さな行動でも構いません。

体を動かすことで、考えごとから物理的な距離を置きやすくなります。
「考える」から「動く」への切り替えを、意識してみてください。

「今できること」を一つだけ決める

考えすぎているときは、たくさんのことを一度に考えようとせず、今できることを一つだけ決めてみてください。
小さく具体的な行動に絞ることで、行動へのハードルが下がります。

「今日はこれだけやる」と決めて、それ以外は一旦保留にしてみましょう。
一つに絞ることを、意識してみてください。

すぐに答えを出そうとせず考える時間を区切る

考えすぎてしまう背景には、「今すぐ答えを出さなければ」という焦りがあることもあります。
そこで、あえて考える時間を区切ってみてください。

たとえば、「この件について考えるのは10分だけ」と決めて、それ以降は別のことに意識を向ける方法です。
認知行動療法では、考え方だけでなく行動にも働きかけ、問題解決や活動を通してストレスへの対処力を高めていく考え方が用いられています。

ネガティブ思考を直してもつらいときは?専門家に相談する目安と考え方

ここまで紹介してきた方法を試しても、つらさが変わらないこともあるかもしれません。
ここでは、専門家への相談を検討したいタイミングについてお伝えしていきます。

ネガティブな考えが浮かぶこと自体は珍しくない

ネガティブな考えが浮かぶこと自体は、決して珍しいことではありません。
誰にでも起こりうる、自然な思考の一つだと捉えてみてください。

そのため、ネガティブな考えが浮かんだこと自体を、必要以上に責めないようにしましょう。
大切なのは、その考えとどう向き合うかという部分です。

「自分だけで直さなければ」と思い込まない

思考の癖を「自分だけで直さなければ」と思い込んでしまう方もいるかもしれません。
しかし、一人で抱え込みすぎず、必要であれば専門家の力を借りることも、大切な選択肢です。

そのため、うまくいかないと感じたときは、無理に一人で抱え込まないようにしてください。
頼ることも、見直しを進める方法の一つです。

落ち込み・不安・不眠などが長く続く場合

落ち込みや不安、眠れない状態が長く続く場合は、注意しておきたいサインです。
セルフケアを続けても改善が見られない場合は、無理を続けないようにしてください。

「そのうち治るだろう」と我慢を続けるのではなく、気になる段階で対処を始めることが大切です。
早めのケアが、その後の回復にもつながっていきます。

仕事・家事・人間関係などに支障が出ている場合

ネガティブな考え方によって、仕事や家事、人間関係などに支障が出ている場合も、相談を検討したいタイミングです。
日常生活への影響が大きいほど、心身への負担も大きくなっている可能性があります。

そのため、生活への影響を感じたら、早めに周囲や専門家へ相談してみてください。
一人で抱え込まないことが大切です。

認知行動療法など専門的な支援を検討する

思考の癖を見直す方法として、この記事では認知行動療法の考え方をもとにした5つのステップを紹介してきました。
つらさが強い場合は、こうした方法を専門家のサポートのもとで取り組む、認知行動療法などの専門的な支援も選択肢の一つです。

医療機関やカウンセリングでは、自分一人では気づきにくい考え方の癖に、専門家と一緒に向き合っていくことができます。
気になる場合は、相談を検討してみてください。

つらさが強いときは身近な人や専門家に相談する

つらさが強いときは、一人で抱え込まず、身近な人や専門家に相談することをおすすめします。
家族や友人に話すことでも、気持ちが軽くなることがあります。

セルフケアと専門的なサポートは、どちらか一方ではなく、あわせて活用していくことも大切です。
無理をせず、頼れる場所があることを覚えておいてみてください。

まとめ

ここまで、ネガティブに考えてしまう原因から、当てはまりやすい思考パターン、考え方を見直す5つのステップについてお伝えしてきました。
思考の癖は性格だけで決まるものではなく、事実と解釈を分けて考えることで、少しずつ見直していけます。

無理にポジティブへ置き換えるのではなく、悲観にも楽観にも偏りすぎない、現実的で納得できる考え方を目指してみてください。
考えすぎがループするときは、書き出す、体を動かすといった方法で、一度立ち止まってみましょう。

セルフケアを続けてもつらさが変わらない場合は、我慢せずに、身近な人や専門家への相談もあわせて検討してみてください!

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次